パルクールの歴史や文化、魅力について熱く語ります。
刺激的なパフォーマンスで話題沸騰中のパルクール。
その派手な技術はテレビCMやライブパフォーマンスのみならず、パルクール単体としての大会も世界各地で開催され、オリンピック競技の候補としても上がってきています。
多くの人が持つイメージとしては「ビルからビルに飛び移る恐ろしいスポーツ」といったところでしょうか。
しかしパルクールの歴史はとても深く、みなさんが持つイメージとは全くもって違います。
今回はその背景について熱く語っていこうと思います。
パルクールの本来の目的は自己鍛錬
パルクールは本来、スポーツでもストリート文化でもなく『自己鍛錬』という孤立した定義を持っています。
しかしこれはパルクールの先人達の哲学であって、元々は『フランス軍隊のトレーニング法』として採用されており、パルクールという名前すらありませんでした。
言ってしまえば、
消防士の訓練で網や梯子を使って目的地まで移動する手段を、あえて自分の身体だけで跳び移ってよじ登る事に限定したもの
という解釈でも間違っていないでしょう。
緊急時に役に立つ動作を練習する中で自然に筋力が付き、それを覚えるために試行錯誤し自分と向き合う。
そしてできなかった技術を習得した瞬間の喜び(成功体験)を重ねて更なる自信を得ていくという充実感。
孤独で淡々とした作業でもこのようなジワジワとした”ハマる要因”がパルクールには散りばめられています。
なので先人達が伝えたかったものとしては『自己鍛錬のためのパルクール』という哲学です。
それに反して現代のパルクールは”エンターテインメント”と化しており、
大会で順位を競い合ったりアーティストのMVやLIVEのパフォーマンスとして機能している実情があります。
しかしこれは”パルクール”という文化をより普及させるためには避けて通れないものであり、たとえパルクール本来の文化から離れていたとしても、それが時代の流れや需要であるなら「それこそが正義」でしょう。
- 大会で活躍している選手に憧れてパルクールを始めた
- アーティストのMVをみてかっこいいと思って始めた
- 純粋に楽しそうだからやってみた
どれも同等に立派な動機です。
なので本来の『自己鍛錬』としてのパルクール文化を一貫して伝えることは、その先も一般的に親しめるほどの文化にはなり得ないという事になります。
先人達の多くはそれを知っており、受け入れています。
時代の流れに任せるという一種の”期待を込めて”受け入れたと言えます。
”あきらめ”や”開き直り”ではなく、”期待”という前向きな捉え方として時代にバトンを渡すという考えも、パルクールによって培われた柔軟な思考なのではないでしょうか?
よくいう「今の若い子は〇〇だ」といった凝り固まった考えではなく、その流れを良いものとして受け入れられるという部分こそがパルクールのいわゆる”自己鍛錬”に結びついていると言えます。
パルクールの魅力
パルクールの魅力は人によって感じるポイントが違うということを前提として、筆者の感覚で言うなら「爽快感」です。
先ほどの説明では、「技が少しずつできるようになる充実感、達成感によって自信がついて結果的に自己成長できる」という啓発的な特徴を並べました。
しかしそれは「ある程度練習量をこなしてからじゃないと体験できない感覚」なんです。
なのでパルクールという文化にのめり込まなくても、誰もが齧る程度で味わえる感覚は「爽快感」に他なりません。
この「爽快感」は短絡的に感じられるものです。
ちょっと障害物から飛び移っただけでも”フワッとした”普段感じないような爽やかな感覚を味わえます。
これが「楽しさ」に繋がって”ハマるきっかけ”になるのではないでしょうか。
なので、パルクールの魅力としては
「初心者が楽しめる入り口」としての「爽快感」を味わえる
という部分だと思います。
もちろん、初心者に限らず熟練者もずっとこの「爽快感」を軸にパルクールを楽しんでいます。
なぜなら、常にレベルアップすべき課題が見つかり、新たな難易度の高い技も出てくるからです。
それらを習得するたびに爽快感を感じ、結果的に充実感に繋がるものです。
フワッとした飛ぶ感覚はだんだん慣れてしまいますが、風を切る感覚はやっぱり気持ちがいいものです。
最初は怖いかもしれませんが、安全な場所で少しずつ自分のレベルに合わせて難易度を高めていけば大丈夫です。
まとめ
パルクールは極めて特殊なもので、海外ではものすごくポピュラーなスポーツとして親しまれています。
日本では建物や障害物の地形がパルクールに向いていないものが多く、そして秩序の厳しい日本では反社会的な目で見られてしまうことも少なくありません。
日本でどのようにしてパルクールを浸透させていくのかが大きな課題となるでしょう。
現在はパルクール専用のジムが都内を中心にちらほら建てられています。
子どもを中心にどんどん広がっているので、数年後には一般的に親しまれているかもしれませんね!
楽しみにしていきたいと思います。