パルクールは体操選手より凄い?違いは何なの?

『パルクール実践者は体操競技に通用する?』
よくパルクールをやっている【神業集】といった類の動画で「体操で金メダル取れそう」「体操の時代オワタw」「体操より凄い」などというコメントを見かけます。
このように、パルクールという競技を比べられる対象として体操競技が挙げられます。
理由としては、パルクールには宙返りなどのアクロバティックな要素が絡んでいるからです。
では実際パルクール実践者は体操選手より凄いのか?について言及していきたいと思います。
パルクールと体操の違いは?
当たり前な話ですが、そもそもパルクールと体操競技は「特徴」と「目的」が違います。
パルクールの特徴と目的
パルクールで評価される基準は【シルエットのかっこ良さ、流れのスムーズさ、ユニークさ】が一般的です。(もちろんルーツに則って安定性などを重視する人も多いです)
人によりスタイルは異なりますが一般的な考えとしては、身の回りの地形や障害物に対していかに派手に、面白く動けるかを追求します。
体操競技の特徴と目的
体操競技で評価される基準は、【難易度、美しさ、安定性】です。
足先まで意識する綺麗さ、捻りの回転数、着地など定められた規定があるため、その基準で評価されるようにトレーニングして大会で披露しています。
なぜパルクールの方が凄いと思ってしまうの?
管理人が思うに、下記の理由により「パルクールが凄い」という風に思ってしまうんじゃないかと考えています。
- 見た目が派手・危険
- 予想外の動き・斬新さ
- 地形や障害物の利用
- 映画の世界のみぞ出来ること
このように非日常的な要素があるために、一般の方は「パルクール実践者は身体能力が抜群」と思ってしまうのではないでしょうか?
また、個人的な考えですが、
パルクールというのは、ジャッキー・チェンの映画に出るアクションシーンに酷似した動きでもあり、アニメのナルトのような忍者要素があるため、特に男のロマンをくすぐる部分もあって凄く見えてしまうのもあると思います。
反対に体操競技は根強い歴史があり、スポーツとして社会的にも親しまれているため、テレビ等で体操競技の動きに見慣れており、「パルクールに比べたら体操競技は簡単」と思われているという部分もあると思います。
パルクールが凄い訳ではない
そもそも目的がちがう競技は比べる基準がないので、どちらが凄いといった概念も無いです。
一つだけ言えるのは、
それぞれの競技のなかで結果を出している人が凄いのであって、競技そのものが凄いという訳ではない。
という事です。
例えば、「ダンスの何が凄いのかわからない。」と言う人がいたとしても、ダンサーにしかわからない凄さというものがあります。
このように、関わることのないジャンルには盲目な部分というものがあるんです。
まとめ
どの競技もそうですがパルクールと体操競技は「目的」がハッキリと分かれているため、比べる意味が無いんです。
仮に、パルクール実践者が体操界に道場破りをしにいっても無惨に散ってしまうでしょう。シルエットを重視する風潮があるパルクールは体操競技の真髄である美しさに程遠いからです。
シルエットだけを追求する為に体に染み付いた癖を頑張って直そうと思っても、体操競技の繊細さに辿り着く事は難しいでしょう。その時点で減点です。笑
そうなると、逆に体操選手はパルクールを始めやすいと思います。
パルクールは体操競技のようにシビアな採点などは無く、幅広く評価される世界なので参入障壁は物凄く低いどころか、有利とも思えますね。
実際に体操からパルクールへ移行してくる人は多いですし。
しかしパルクールの凄さというものはもっと深い部分にあるのではないでしょうか?
ここ数年でパルクールシーンは様々な人の努力によって急激に発展を遂げた事実があります。
危険なイメージを持たれるパルクールは「反社会的」といった社会からの偏見の中で、様々なメディアや個人の活動を通して正しい形でパルクールの地位を確立してきました。
パルクールの競技性の凄さというよりも、「ストリートカルチャーであったものからスポーツへと変貌を遂げた事実」が凄いと管理人は思います。